大視協ジャーナル6月号 第528号
時報
日視連の動き
第70回記念 全国視覚障害女性研修大会の案内
会期 9月4日(水)から5日(木)
会場 香川県県民ホール「レクザムホール」、JRホテルクレメント高松
参加者 300名
費用 付き添いも同額
参加費 1人 1千500円
懇親会費 1人 9千円
弁当代 1人 1千100円
会議資料 1部 1千円(点字・拡大文字)
問い合わせ 大視協事務局
電話 06-6765-5600
第50回記念 全国視覚障害者文芸大会 参加者募集
1.応募作品
「短歌」「俳句」「川柳」「随想・随筆」の4部門。自作、未発表の作品に限る。
2.募集期間 6月1日(土)から7月31日(水)
3.応募基準
短歌・俳句 お題は自由。1人3首または3句以内。
川柳 今年度の課題は「軽い」「声」「もったいない」の3題。
3題合計で1人3句以内。
随想・随筆
1人1作品。
墨字は、3,200字以内(400字詰め原稿用紙8枚)
点字は、1行32マス200行以内。字数超過の場合は受付不可のため、注意のこと。
4.応募方法
メールの場合
ワードファイル、テキストファイル推奨。
郵送の場合
応募用紙は自由とし、部門ごとに別々の用紙を用いること。
5.問い合わせ
応募の宛先・書式、審査員、注意事項、参加料、支払い方法等については大視協事務局へお問合せください。電話06-6765-5600
令和6年度 日本視覚障害者団体連合 運動方針概要
6月2日から3日に開催された第77回日視連(日本視覚障害者団体連合)熊本大会における決議に基づき、令和6年度の運動方針の概要をご案内します。紙数の都合で、各項目の一部分のみを掲載します。なお、読者が容易に理解できるように若干の修正・加筆をしている部分があります。そこで、原文による詳細を希望される方は事務局までご連絡ください。
1.デジタル化
視覚障害者を取り残さないデジタル化を進めるように要望してきたが、デジタル化の進展に伴い、かえって視覚障害者にはできないことが増えてきている。
セルフレジやセルフオーダーといったタッチパネルによる操作機器について、個別に具体的な改善策を提案することが重要である。
2.情報保障
読書バリアフリー法、障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法が施行されたが、法の基本理念に基づいた環境整備は進んでいない。読書バリアフリー法に基づく基本計画を策定していない都道府県が未だに残っている。
放送分野において、ニュース速報の音声化や外国人等インタビューにおける字幕テロップの吹き替えについて、実現を求めているが受け入れられていない。
金融機関における代筆・代読は、金融庁の調査では内規を設けている都市銀行が100パーセントに達しているものの、相変わらず「窓口対応してもらえない」という声が寄せられている。代筆・代読が断られることのない仕組みの構築を求めていく。
点字は重要な媒体である。そのことを恒久的に保障するためにも、「日本点字普及法」(仮称)を実現させることが必要である。同法の実現に向けて、「障害児者の情報コミュニケーション推進に関する議員連盟」を提案する。
3.相談支援体制
失明の可能性の告知を受けた人々に対しては、日常生活や社会生活に不可欠な情報を得て、福祉サービスやリハビリテーションを受けられるように、医療段階からの早期相談支援が必要である。
英国の失明時アドバイザーのシステム(ECLO)も参考にしながら、日本における医療から福祉・教育・就労に繋げるための方策を、現状と課題を踏まえ、次の取り組みを進める。
ア.「視覚障害リンクワーカーの手引き」を広報し、医療段階からの早期相談支援の理解促進と実践の拡充に繋げる。
イ.視覚障害リンクワーカーの養成研修を行い、早期相談支援を担う人材を育成する。
ウ.医療・福祉・教育・就労の各関係機関の橋渡しを効果的に実践する方法の取りまとめ、スマートサイトの更なる活用、地域セミナーの開催等実施する。
エ.眼科医療、とりわけロービジョンケアが重要である。日本眼科医会、日本眼科学会、日本ロービジョン学会等との連携を引き続き図る。
4.外出保障
昨今、電動キックボードや自動配送ロボットが歩道を走行することにより、視覚障害者の移動の安全性が懸念されている。また、スマートフォン等を活用した移動手段の新たなシステムや機器が開発されている。これらへの対応策および安全性確認の一環で「スマホ等を利用した移動について考える懇談会」を継続し、これらの新しい移動手段・移動支援について意見交換を行い、方針を取りまとめる。
5.就労問題
(1)あはき
就労移行支援事業所と研修センターの設立を目指す。新たな職域や就職先を開拓してこそ、若い視覚障害者が「あはき業」に展望を持ち、将来性を実感できるようになるのである。
(2)一般就労
次の取り組みを進める。
ア.視覚障害者の就労事例を広報する。
イ.関係者による懇談会(フォーラム)の開催。
ウ.視覚障害公務員交流会の継続。
6.教育問題
(1)理療科教育
100年以上続く理療科教育で積み上げられてきた実績や伝統の継承が必要。そこで、「あはきと理療科教育の未来を考える懇談会」(令和5年3月発足)を継続し、年内には理療科教育の改革のための提言ないしグランドデザインを示す予定である。
(2)視覚障害児童・生徒に対する教育体制
「インクルーシブ教育推進会議」(仮称)の設立を求めていく。
盲学校(視覚特別支援学校等)や地域の学校に通学する視覚障害児童・生徒に対する通学の支援は未だ不十分。何よりも同行援護事業を通学介助として利用できるようにすることが喫緊の課題である。
7.災害・防災対策
能登半島地震の復興に向けては、被災視覚障害者の相談を受ける体制を作ることが必要。
29年前の阪神大震災、13年前の東日本大震災、8年前の熊本地震など、大災害が続いている。首都直下地震、南海トラフ地震、台風や水害などを念頭に、視覚障害者自身が備えなければならない防災グッズ、自治体に求める対策をより明確にしていく取り組みを進めなければならない。
8.文化・芸術、スポーツ
文化・芸術活動は、視覚障害者にとっても日常生活を豊かにし、自己実現を図り、生きがいを実感するために重要である。
スポーツ活動は、社会参加の機会や自己実現の場にもなるし、健康づくりにもなるだけでなく、地域における晴眼者との交流の機会ともなる。ブラインドスポーツの魅力を知らない視覚障害者・児が、多い。ブラインドスポーツを経験する機会をどのようにして作るかが当面の課題である。晴眼者を加えたブラインドスポーツを広げるための方策を検討し、それを実践していきたい。