大阪市視覚障害者福祉協会

大視協ジャーナル

◆大視協時報◆

「『新型コロナウイルス感染症拡大に伴う視覚障がい者への配慮を求める緊急要望書』の提出について」

 4月27日付けで、大阪市福祉局障がい施策部に提出した緊急要望書の内容をお知らせいたします。

 「新型コロナウイルス感染症拡大に伴う視覚障がい者への配慮を求める緊急要望書」

大阪市福祉局障がい施策部   部長 松村裕子 殿

大阪市天王寺区東高津町12-10

大阪市立社会福祉センター内

一般社団法人 大阪市視覚障害者福祉協会

会長  野村和子

 拝啓 貴職におかれましては、平素より障がい者福祉の増進と向上に対し、多大なご尽力を賜り、厚く感謝申し上げます。

 さて、今般大流行となっております新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大に伴い、当協会には、多くの視覚障がい者より、「マスクが買えない」、「治療院で使う消毒用アルコールが足りない」、「職場は閉鎖され、子供の学校も登校できない日が延長され、経済的にも精神的にも限界です」など、切実な声が寄せられています。

 つきましては、新型コロナウイルスの感染が続く元でも、視覚障がい者が安心して安全に生活できるよう、以下の通り要望いたしますので、特段のご配慮を賜りますようお願いする次第です。

敬具

1 衛生用品などの入手について
(1)視覚障がい者およびその支援者に対して、当面の間、日常生活を送る上で必要なマスクや消毒用アルコールなどの衛生用品を優先的に入手または購入できる手立てを講じてください。
(2)視覚障がい者の日常生活用具として指定されている「視覚障がい者用体温計(音声式)」の市場在庫が欠品しており、給付申請ができない状態が続いています。
大阪市としてメーカーに増産を要望するよう厚生労働省に働きかけるとともに、必要とする視覚障がい者に給付するよう要望します。

【説明】

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、視覚障がい者は衛生用品を手に入れることができず、これまでの生活が一変し、日常生活や経済活動などが大きく制約され、マスクが手に入らないことで、同行援護が利用できない、手指の消毒用アルコールが手に入らないことで、鍼灸マッサージの仕事ができない、音声体温計が手に入らないことで、体温が上がっていても受診の判断ができないなど、社会的活動が大きく損なわれています。そのため、視覚障がい者が安心・安全に日常生活を送るためには、国や自治体の責任において、上記の要望の実現が必要です。

2 あはき(あん摩マッサージ指圧・はり・きゅう)業について
(1)視覚障がいあはき業者が、あはき業にとって必要不可欠な備品(マスク・消毒用アルコールなど)を、優先的に入手できる施策を講じてください。
(2)仕事が激減し生活に困窮するあはき業の視覚障がい者に対して、明確な所得補償を行うための救済措置を講じてください。

【説明】

 あはき業(ヘルスキーパーを含む)には多くの視覚障がい者が就業しており、視覚障がい者が社会生活を送る上で必要な職種となっております。

また、あはき業自体も、国民の健康増進・健康維持において重要な職種ともなっております。しかし、この度の新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、多くの視覚障がいあはき業者は仕事を失いかねない状況となり、日々の生活もままならない状況になっております。そのため、視覚障がい者があはき業を継続し、安定した生活を送るためにも、上記要望の実現が必要です。

3 同行援護について
(1)病院への通院や生活必需品の買い物など、必要に迫られて同行援護を利用する場合、確実に同行援護が利用できるよう、地域内でのヘルパーの調整など、柔軟な支援方法の実施、マスクの優先配布などを実施してください。
(2)同行援護事業を継続させるため、事業所の経営安定化に向けた支援策を実施してください。
また、事業所の休業等による従事者の大幅な収入減少に対しては、明確な所得補償を行うための救済措置を講じてください。

【説明】

 同行援護は視覚障がい者の行動保障・情報保障の支援として重要な障がい福祉サービスとなっております。しかし、この度の新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、視覚障がい者は満足に支援を受けることができなくなっています。一方で、支援を行う同行援護事業所及び従事者にも同様の影響があり、視覚障がい者に支援を行いたくても支援が行えない状況となっています。このままでは、同行援護の制度自体が崩壊しかねかねません。そのため、同行援護制度の継続のためにも、上記要望の実現が必要です。

4 視覚障がい者への情報提供について
(1)新型コロナウイルスに係る次の情報は、必ず視覚障がい者も理解できる方法(点字、音声、拡大文字、テキストなど)で情報提供されることを要望します。特に、大阪市や各区のホームページではPDF形式になっていることが多いため、同時にテキスト形式での情報提供をお願いいたします。
①国や自治体からの各種情報
例:通知等の内容、休業補償等の申請方法、施設の休館情報等
②マスコミからの各種情報
例:TVの緊急速報や字幕スーパー、
解説で使用する図や表の内容等
③販売店からの各種情報
例:マスク・消毒用アルコール等の販売情報、営業時間の変更等

【説明】

 多くの視覚障がい者は、日常生活で必要とする情報の入手が難しいため、この度の新型コロナウイルスの感染拡大の影響によって、改めて情報入手の困難さが浮き彫りとなり、多くの視覚障がい者は、情報を得られないことによる困り事や不安が発生しています。そのため、視覚障がい者への適切な情報保障を守るためにも、上記要望の実現が必要です。

5 新型コロナウイルスに関連する視覚障がい者への支援について
(1)医療機関に入院した視覚障がい者に対しては、様々な情報提供の支援に加え、施設内での移動や行動の支援等が行われることを要望します。
(2)独居などの視覚障がい者が新型コロナウイルスの感染の疑いが生じた場合、単独では移動ができないことから、自宅でのPCR検査の実施、円滑な医療機関への移送など、視覚障がい者に特化した柔軟な支援が実施できるよう、適切な施策を講じてください。

【説明】

 多くの視覚障がい者は、もし、自身が新型コロナウイルスに感染し、医療機関に入院した場合、入院生活中の様々な支援が受けられるかどうかを不安に感じています。

なぜなら、過去より医療機関での視覚障がい者に対する支援は徹底されておらず、入院生活で不便な思いをしている視覚障がい者が多いからです。さらに、入院生活だけではなく、感染疑いがあった場合の検査などで、同行援護が利用できないことから、不安の声が寄せられています。

そのため、これらの不安を解消するためには、上記要望の実現が必要です。以上、急ぎご検討いただき、ご対応くださいますようお願い申し上げます。

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